平成28年 受賞者

東青地域


豊島 弘子(とよしま ひろこ)

   昭和42年から養豚経営に携わり、平成10年からは町からの貸付牛2頭を基に肉用牛との複合経営を始めた。
 平成11年旦那さんの死亡時には畜産経営をやめることも一時考えたが、元来の動物好きなこともあり、肉用牛繁殖経営に専念することとし現在に至っている。
 

 飼養管理方法は、牛にストレスを与えないよう、清潔で、ゆったりとした牛舎スペースを確保することを モットーに、こまめな個体観察が行われており、繁殖牛の連産性確保と子牛の疾病及び事故防止による良好な発育を保っている。このため同氏の牛は、人になつき、おだやかな動作をしているのが特徴で、
昨年度の青森農業協同組合畜産部会共進会では経産牛の部で優等賞を受賞した。

このように、同氏は 高齢にもかかわらず高い飼養管理技術を発揮するとともに、家畜衛生に対する意識も高く、飼養衛生管理基準の遵守を徹底している。




木村 清秀(きむら きよひで)

 平成10年に平内町に奉職。平成14年から農林畜産課農業振興係、平成20年から産業振興課畜産林務係へ配属となり、今日まで一貫して農林・畜産振興に関わる技術及び経営指導を行っている。
 同町においては、生産者の高齢化と労働力の低下に伴う繁殖成績の低迷が懸念されていたことから 関係機関(役場、農協、民間獣医師、家保)の連携による繁殖成績の積極的な把握、定期巡回による 積極的な繁殖検診、飼養管理指導といった生産者を支援する「地域一体となった繁殖管理体制」を平成25年に整備し、積極的な対応を図っている。
 同氏は、この取組みの中で生産者、家畜人工授精師がそれぞれ管理していた分娩や人工授精の実績を取りまとめ、町内の全戸、繁殖牛全頭の成績を一括管理した。更に、コンピューターに精通しているこ とから、繁殖検診の対象牛を自動で抽出できる繁殖管理台帳を作成した他、データを繁殖雌牛ごとのカルテ様式でも表示できるよう工夫するなど巡回指導の効率化も図られた。
 

 同氏のデータ管理を基にした定期巡回は現在も継続しており、町全体として繁殖成績が改善するとともに生産者の安心、信頼へと繋がり、高齢者の農業経営継続の大きな支えとなっている指導者である。

三八地域


欠端 則夫(かけはた のりお)

 祖父の代より始めた肉用牛を昭和52年に引継ぎ、地域の特性を生かし放牧を取り入れた優良子牛の生産に取り組んできた。現在は肉用牛22頭の繁殖・肥育の一貫経営を行っており、常に安定した経営を維持している。

また、肉用牛経営の傍ら、川代牧野組合組合長、三戸畜産農業協同組合肥育部会長、三戸地方黒毛和種改良組合及び三戸地方黒毛和種育種組合の副組合長、理事などの要職を務めるとともに、自ら人工授精師として地域の和牛改良と優良子牛の生産に大いに貢献している。

現在、田子町議会議員として町政にも参加し、地域の畜産振興にも貢献している。


中村 昭二(なかむら しょうじ)

 青森県役馬利用指導者養成所修了後、獣医師免許取得し、昭和25年から青森県職員として家畜の防疫対策や家畜指導業務に従事された。

昭和61年青森県職員退職後、(社)青森県肉用牛開発公社 常務理事などを経て、平成8年4月から三八畜産衛生協議会事務局長として、地域の家畜防疫事業や自衛防疫事業の推進に取り組んでいる。  

現在も当協議会の事務局長として活躍されており、地域の家畜衛生の向上及び畜産の発展に大いに寄与している。  

 

 

上十三地域

浜田 竹美(はまだ たけみ)

  昭和35年からの酪農経営に始まり、その後に搾乳牛50頭まで規模を拡大、平成15年から受精卵移植を活用し黒毛和種の増頭に着手し、平成18年には肉用牛の繁殖経営に移行し現在に至る。
 経営においては自家産粗飼料を活用した低コスト生産とパドックの設置によるゆとりある環境での飼養管理を実践し、生産された子牛は県家畜市場においても高く評価されている。
 

 また、昭和54年から地域の農業共済組合役員を歴任し、ゆうき青森和牛改良組合においては設立当初から現在まで理事を務め、地域畜産の指導者としても長年畜産振興に貢献している。


東北養鶏株式会社 代表取締役 蛯名勇

  平成12年有限会社東北養鶏場として発足、当初から採卵鶏20万羽を飼養し、徹底した衛生管理と新たなシステム導入により高品質の鶏卵を生産、平成16年には品質と安全管理を徹底するため全農系では第1号となる鶏卵トレーサビリティーを取得し、平成27年3月から現在の経営に至る。

 家畜衛生に対する意識が高く、鳥インフルエンザ対策として消毒ゲートや消石灰散布による消毒、来場者記録台帳の設置など飼養衛生管理基準の高いレベルでの遵守を継続するとともに、最近では、家畜保健衛生所と連携し、疾病発生時の迅速対応のための防疫対応計画の作成にも積極的に取組むなど、
地域の養鶏場の模範となり衛生管理の向上に貢献している。

 

むつ地域

 千葉 晋(ちば すすむ)

  平成23年10月から肉用牛繁殖経営の父親のもとで研修を積み、平成25年1月から経営を引き継いだ。
平成26年4月には農場名を美付ファームとし、現在は黒毛和種繁殖牛50頭を飼養している。平成28年3月に開催された第55回全国青年農業者会議プロジェクト発表(畜産部門)で、牛の皮膚病の改善に取り組んだ成果(演題名:「牛の皮膚糸状菌に対するアプローチ」)を発表したところ、青森県で初めて最高賞である農林水産大臣賞を受賞した。

 また、日常の飼養管理においても飼養衛生管理基準を遵守し、疾病の発生予防のために消毒などの
家畜衛生対策にも積極的に取組んでおり、地位のリーダーとして肉用牛経営の発展に貢献している。

 

津軽地域


吉田 浩(よしだ ひろし)

 
昭和54年に深浦町産業課職員として採用され、町養豚振興係として従事。その後、昭和63年からは中小家畜も担当し町養豚振興係として家畜共済連合会獣医師ときめ細かに町の豚防疫予防注射事業に従事された。平成元年から平成3年までは県営草地開発事業、町国営付帯事業として追良瀬、長慶平牧場の水道、道路、畜舎等付帯施設整備事業に関わり、深浦町の肉牛増頭計画を推進した。さらに、地域で一斉を風靡した「糸徳号」の掘起し、さらに兵庫県からの種雄牛「菊丸号」導入などに関わり、平成8年全国和牛登録協会認定「深浦町和牛改良組合」設立に奔走してきた。その後2年間は町観光課で 勤務し、どこからでも夕陽が見られる深浦町夕陽ヶ丘海岸、リゾートウエスパ椿山への観光客の誘客活動に従事。平成9年からは町農業委員会へ出向し、農地転用・貸付等農地調整活動事業に従事し、町の魅力を県内外へと発信し、町の農業行政を特に畜産一途に30年間担い続けてきた。
 町直営中核畜産施設である追良瀬牧場において、平成5年から繁殖牛20頭飼養し地域一貫型肥育・150頭規模、年間70頭の肥育牛を出荷・販売し、「深浦牛ブランド」を存続させてきた。一方、平成25年6月に深浦畜産農業協同組合に指定管理委託された後も、追良瀬牧場を拠点とした畜産の本拠地とす
べく、時代を担う地域リーダーとして、現在まで和牛改良業務の推進や家畜保健衛生所が行う家畜防疫指導の円滑化等、深浦町の畜産振興に寄与されてきた。
 特に高齢化が進む町内畜産農家のため、率先して子牛登記申請や市場上場等に係る事務手続きの窓口や、産業課内にあっては課長補佐として県事業の取りまとめ役として尽力されてきた。
 このように、これまでの吉田氏の功績は、深浦町の畜産振興において高く評価されるものであるのみならず、同町の今後の畜産発展には不可欠な存在となっている。