組合員の手で組合員のための牧場を守る

奥瀬牧野畜産農業協同組合
(十和田市)

 
 第14回全国草地畜産コンクールの受賞を賜り、関係各位に御礼申し上げます。
 当牧場は、昭和26年に集落の里山牧場として開設されて以来、50年以上にわたり地域密着型のきめ細かい管理とサービス提供に心がけてきました。

 また、県営草地開発事業や十和田地区林野活用モデル事業などを活用し、草地基盤の拡充と施設整備の強化を進めてまいりました。
 これらの事業については、組合員による慎重な検討を重ねながら、よりよい牧場経営の実現を目指して実施してきました。おかげさまで、現在の放牧頭数の維持、増頭につながっているものと確信しております。
さらに、公共牧場に求められる重要な機能である「受胎」について、かつては特定の看視人の技術に頼っていた体制を、後継者育成のため常時ベテランとの2人 で作業するよう一新しました。これは、将来にわたり高い受胎率の確保が保証されたことを意味していると同時に、組合員の安定所得にも貢献するものです。

 このような条件のもとに牧場経営を進めていくならば、まさしく前途洋々の未来が予想されるところですが、近年の飼料・燃油・肥料高騰、担い手の減少、牛肉価格の安値安定などの状況を考えると、危機感が募るばかりで何から手を付ければいいのか困惑する次第です。
 このため、十和田市内8牧場(5管理団体)で協力し、お互いの牧場経営で何が問題でどのような解決方法があり、協力できることは何なのかを協議する「十和田市公共牧場再生協議会」が設立されました。まだ、協議会の運営は手探り状態にありますが、関係機関の協力を得ながら、問題解決に向けて8牧場で取り組んでいきたいと考えています。

 最後になりましたが、これまで当牧場を支えてきてくださった関係機関、組合員の皆様、今後も一層の御協力をお願いするとともに、受賞に当たってのお礼を申し上げまして、受賞者の言葉といたします。
ありがとうございました。

奥瀬牧野畜産農業協同組合
組合長 関 善一