平成26年 受賞者

三八地域


佐藤 昌勝(さとう まさかつ)

 同氏の農場は、同氏の父親佐藤昌憲氏が昭和48年に乳用牛15頭飼養の酪農に始まり、その後、乳用雄牛育成、肉用牛雌肥育、交雑種肥育を経て、平成16年には青森市から肉牛繁殖牛の払い下げを受け肉用牛10頭の繁殖経営に移行、徐々に飼養頭数を増やし、現在は繁殖牛32頭を飼養する東青地域では最大規模の肉牛繁殖経営農家となっている。
  同氏は、平成16年頃から妻や両親とともに肉牛経営に携わり、平成18年には家畜人工受精師免許を取得、自ら人工授精を行い平均受精回数1.2回と優れた受精技術により良好な繁殖成績を上げている。また、平素から細やかな飼養衛生管理と発情チェックや牛へのストレス軽減のため飼料の定時給与、牛舎をすべて手作りで行うなど肉牛生産の低コスト化、ゆとりある牛舎環境での飼養管理を実践している。さらに、日頃から繁殖雌牛の育種改良について講習会研修会に参加するなど研鑽に励み、地域の肉用牛振興のリーダーとして将来を期待するものである。


藤本 正人(ふじもと まさひと)

 同氏は平成6年に蓬田村に奉職以来、今日まで一貫して農林・水産振興に関わる技術及び経営指導を行い、高齢者の多い畜産農家等への同氏の親身な対応は農業経営継続の大きな支えとなっている。
 また、同氏は家畜衛生に対する意識が非常に高く、同村で大きな産業である養鶏産業において長年懸案となっていた大規模養鶏場での鳥インフルエンザ発生時の埋却地確保について、国有地である同村営放牧場を埋却地として使用可能となるよう再三にわたり農林水産省青森森林管理署と交渉してきたところである。
その結果、平成25年3月には全国に先駆けて村と森林管理署による埋却地利用に関する協定を締結したことは大きな功績である。
 さらに、同村を会場とした平成25年度東青地区重要家畜伝染病演習では率先して演習会場の手配から実際に使用予定となっている集合施設や埋却場所、消毒ポイントの現場確認の先導役となった。この演習は現場での初の演習であり関係者が有事における初動防疫対応を実地に体験、確認できたことは地域の危機管理体制の確立に大きく寄与した。

三八地域


大久保 雅範(おおくぼ まさのり)

 昭和40年に黒毛和種繁殖牛1頭を導入し、肉用牛経営を始めた。現在は葉たばこの生産の傍ら、黒毛和種の繁殖牛4頭を飼養し、地域の特性を生かし放牧を取り入れた優良子牛の生産に努め、常に安定した経営を維持している。
 また、平成11年より袖平牧野畜産農業協同組合の組合長の要職を務め、放牧を活用した地域の肉用牛振興と地域一帯となった和牛の改良に対し、地域のリーダー的存在として大いに貢献している。



足沢 昭広(たるさわ あきひろ)

 祖父の代より始めた酪農を引継ぎ本格的に酪農に従事し、乳牛の特性を生かした酪農経営に取り組んできた。現在は乳用牛45頭を飼養し、毎年、県乳用牛共進会に数多く出品するなど優良雌牛の生産に努めており、乳用牛の飼養管理技術は、他の模範となっており地域のリーダー的存在として畜産振興に貢献している。
 また、八戸農業協同組合酪農専門部会の役員を務めるなど管内の酪農の発展にも大いに貢献している。

 

上十三地域

大森 敏雄(おおもり としお)

 昭和47年飼養頭数約60頭で家業の酪農を引き継いだが、平成21年に搾乳ロボット2台を備える最大規模・最新設備を備えた牛舎を建築し、飼養頭数は経産牛260頭、未経産牛60頭、育成牛80頭に規模拡大した。出荷乳量は2,324tで、大規模酪農家が多いゆうき青森農業協同組合管内でも、県内においても乳量最大出荷を誇る。
 毎年の共進会では常に上位入賞やチャンピオン賞を、また第31回全国酪農経営体験発表会では優秀賞・特別賞を獲得するなど優秀な成績を収めている。同氏は農協役員や六ヶ所村の農業委員を平成2年から勤めるとともに、今後の目標としては、青森の酪農を守り地域経済の発展のために共同経営を目指す。


苫米地 隆(とまべち たかし)

 昭和51年北里大学畜産学部卒業後、旧十和田湖町農業共済組合家畜診療所に勤務し、昭和52年に村山家畜診療所に勤務後、昭和53年4月から六日町家畜診療所を開設し現在に至る。
 大動物、特に乳用牛を中心とした診療に携わり、昭和57年には家畜防疫員と青森県家畜畜産物衛生指導協会の指定獣医師となり、家畜伝染病の発生予防に係る予防注射事業に従事するとともに、平成13年から青森県家畜人工授精師協会上十三支部長及び平成18年からは青森県家畜人工授精師協会長の要職を現在まで勤め、家畜改良並びに畜産振興に大いに貢献した。

 

むつ地域


澤谷 航一(さわや こういち)

 昭和55年4月市内にある動物診療所に8年間勤務し、平成元年9月に現在の横浜町に動物病院を開業、通算33年間、産業動物診療獣医師として現在に至る。
 その間の業績として、平成7年8月に「性判別卵で受精卵移植を実施し高確率の受胎と出産に成功」、平成8年3月には「クローン牛の双子出産に協力」をした経験を持っている。(一社)青森県畜産協会の指定獣医師として日頃より地域の獣医療の向上及び家畜伝染病予防並びに家畜衛生の普及向上に尽力されている。

 

津軽地域


小山 政弘(こやま まさひろ)

同氏は、昭和44年から深浦町役場職員として地域行政に従事され、農林課畜産係に配属となった平成13年から定年退職される平成19年までの6年間は、改良事業の推進や家畜保健衛生所が行う家畜防疫指導の円滑化等、町の畜産振興に貢献されてきた。
 また、退職後は深浦畜産農業協同組合事務局として同組合木村組合長を補佐する傍ら、特に高齢化が進む町内畜産農家のため、子牛登録申請や市場上場等に係る事務手続きの窓口や、県事業の取りまとめ役として尽力されてきた。さらに「深浦牛」のブランド化にも取り組んでいる同町では、中核施設である町営追良瀬放牧場において年間70頭の肥育牛を生産し販売してきたが、平成25年6月に同組合が同牧場の管理を任されたことから、その運営と活用も新たな職務として加わっている。
 このように、これまでの小山氏の功績は、深浦町の畜産振興において高く評価されるものであるのみならず、同町の今後の畜産発展のためにも不可欠な存在となっている。