放牧で超!!低コスト経営
――夏山冬里で粗飼料自給率100%の大規模繁殖経営――

青森県むつ市川内町袰川(ほろかわ)
鈴木悦雄・栄子
 

この度、第13回全国草地畜産コンクールにおいて栄えある賞をいただき、大変嬉しく、厚くお礼申し上げます。今回のコンクールへの出品に当たっては、青森県畜産協会を始め、関係機関の方々に大変お世話になりました。この場を借りて厚くお礼申し上げるとともに、今後とも引き続きご指導の程よろしくお願い申し上げます。


私たちの地域で黒毛和種の飼育が始まったのは昭和42年頃で、40年以上の歴史があります。当時から傾斜地やササなどの野草地に放牧し、年1回、11月に開催される、田名部(たなぶ)家畜市場に子牛を2~3頭出荷しておりました。人工授精は昭和46年頃から行っており、地域の中では最も早く取り組んでいます。その頃は頭数も少なく、価格も安かったため、経営の主体は漬物用大根の契約栽培でした。昭和56年に川内ダムの建設により袰川(ほろかわ)に移転した後も夏の間は野平(のだい)地区に通勤しながら野菜栽培と肉用牛の放牧を行い、平成9年頃まで野菜主体の経営が続きました。


畜産部門拡大のきっかけは、平成7年に下北中部畜産基盤再編総合整備事業に参加し、草地造成と畜舎建設をしたこと、平成9年に長男が就農したことなどですが、さらに平成10年、家畜市場の統合により青森県家畜市場が毎月開催されるようになり、毎月子牛出荷ができるようになったことが一番の要因です。
BSE発生後ようやく市場価格が回復した平成14年頃から、青森県基幹種雄牛「第1花国」の高評価により子牛の高値が続き、経営的にも肉用牛主体に成果を上げることができるようになりました。
家族労働だけで肉用牛と野菜の複合経営を続けてこられたのは、放牧地を活用した省力・低コスト化、労働配分を考えた野菜の作付け、輪作体系など、常に経営・技術の工夫、蓄積を行い、経営資源や地域の有利性の100%活用を目指してきたこともありますが、一緒に集落移転した仲間との協力や切磋琢磨、家族のおかげと感謝しております。


今後は、80頭の子牛販売を目標に、更なる努力・研鑽を重ね、より優良な子牛の生産を行い地域に貢献したいと思っております。

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