「6次産業化で築く夢のある畜産-地域農業の活性化を目指して」 青森県十和田市 漆畑 善次郎・しづゑ |
この度、第15回全国草地畜産コンクールにおいて、栄えある賞をいただき、心からお礼申し上げます。また、今回のコンクールへの出品に当たっては、(社)青森県畜産協会を始め、関係機関の方々に大変お世話になりました。この場を借りて厚くお礼申し上げるとともに、今後とも引き続き御指導の程よろしくお願い申し上げます。 さて、当農場は、経営移譲を受けた昭和45年当時、水稲主2.5haとわずか9頭ほどの日本短角種牛を飼養する経営でしたが、昭和47年の結婚を機に肉用牛経営部門の拡大を図ってきました。
その後、乳雄とF1の肥育経営へ移行しましたが、昭和53年、地域に県内初の黒毛和種改良組合が組織されたのを契機に、黒毛和牛の導入を始めました。
また、この頃から転作田や牧場の未利用地を利用して、牧草の生産拡大を図るとともに、稲わら収集作業も広域で実施するようになりました。 さらに、平成16年には長男が就農したこともあり、地元生産の黒毛和種牛肉が味わえる焼き肉店「牛楽館」をオープンさせました。これまで、地元のブランド牛肉「十和田湖和牛」は、イベントなどの機会がなければ食べることができませんでしたが、この店のオープンを契機に、いつでも食べることができるようになりました。そして、なるべく多くの人に食べてもらえるよう、できるだけ安い価格で提供するよう家族(娘姉妹2人)経営で頑張っています。 最後になりますが、今、地域農業は担い手不足、高齢化に加え、この度の震災の影響などで、元気がなくなっていますが、このような中でも、それぞれの農業経営に独自の哲学を持ち、安定した経営を実践している農業者がおり、地域農業の維持、発展のためにがんばっています。また、そのような経営では後継者も意欲を持って就農するケースが出てきました。 |