平成23年度 畜産衛生功労表彰者
平成23年度の畜産衛生功労者として、以下の6名の方を表彰しました。
【東青地区】 石田 勝則 さん
◯市町村:東津軽郡外ヶ浜町
◯飼養頭数:黒毛和種53頭(成雌35頭、子牛18頭)
石田勝則(いしだ かつのり)さんは、平成3年に県営農大学校畜産過程を卒業し、家畜人工授精師免許を取得後、一時他業種に就職していましたが、平成5年頃から実家の酪農支援をきっかけに、自ら県の特別導入事業により肉用繁殖牛3頭を導入、その後乳肉複合経営として規模拡大してきました。
現在は酪農経営から肉用牛経営に完全に移行し、黒毛和種繁殖成牛35頭を飼養する東青地区では最も規模の大きい畜産農家となっています。
同氏の牛舎は、全て自らの手により作られ、さらに牛舎裏山を放牧地として活用するなどハード、ソフト両面において低コスト肉牛生産を実証しています。
また、日頃から家畜衛生に対する意識が高く、日常の消毒等衛生管理のほかに繁殖交配技術でも日々の改良育成に対して研鑽に励み、若手後継者として地域肉用牛振興のリーダーとして期待されています。
【三八地区】 本田 しげ さん
◯市町村:三戸郡五戸町
◯飼養頭数:黒毛和種 繁殖牛1頭、肥育牛150頭
本田しげ(ほんだ しげ)さんは、嫁ぐと同時に家業の酪農に就農、昭和49年に乳肉複合経営に切り替えを始め、平成元年に酪農から黒毛和種、乳雄肥育を主体とした肉用牛経営に切り替えました。
黒毛和種150頭の肥育を行い、地域のブランド牛でもある倉石牛の生産に参加し、常に安定した経営を維持しています。
平成10年から、仙台食肉市場で毎月開催される枝肉共励会で名誉賞を2回獲得すると入会の資格が得られる「東北牛匠会」会員として、当地域の肉用牛生産の振興に大きく貢献しています。
【三八地区】 椛木 健一 さん
◯市町村:三戸郡三戸町
◯飼養頭数:黒毛和種 繁殖牛15頭、肥育牛7頭、子牛10頭
椛木健一(かばき けんいち)さんは、昭和30年に広島県から黒毛和種繁殖牛を導入し、肉用牛経営を始めました。
平成9年12月に人工授精師の免許を取得し、優良子牛生産に努め、常に安定した経営を維持しているほか、昨年からは一貫経営に切り替えるなど、黒毛和牛の改良にもつとめています。
肉用牛経営の傍ら、昭和58年に家畜商の免許を取得し、青森県家畜商業協同組合三戸支部の理事を務めるなど、地域のリーダーとして畜産振興に大いに貢献しています。
【上十三地区】 下久保 トキ子 さん
◯市町村:十和田市
◯飼養頭数:黒毛和種29頭(繁殖27頭、育成2頭)
下久保トキ子(しもくぼ ときこ)さんは、就農した昭和53年当時から、乳雄肥育を行っていたが、昭和60年頃から段階的に黒毛和種を導入し、平成3年には完全に肉用牛繁殖経営に切り替え、その後も順調に頭数を増やし、現在黒毛和種繁殖27頭、育成2頭を飼養しています。
JA十和田おいらせ改良組合理事を務め、地域の黒毛和種の改良にも取り組むとともに、平成10年にはJA十和田おいらせ婦人部会長に選出され、会長として研修会の開催、牛肉まつりやモーモー母ちゃん等のイベントに積極的に関わり、地域の婦人部の知識は勿論、意識や地位の向上を目指し、部会の中心となって活躍しています。
【上十三地区】 白山 孝男 さん
◯市町村:十和田市
◯授産施設(指導員)
白山孝男(しらやま たかお)さんは、昭和62年、施設利用者の飼養管理や生活支援指導のため勤務しました。
利用者が牛の世話をすることにより、牛に対する優しさや積極性が養われるなど、作業を通じたアニマルセラピー効果を期待する園の責任者です。
「牛がつなぐ福祉と畜産の里、牛づくりは人づくり」を目標に指導を続けた結果、平成20年には中央畜産会主催の畜産大賞にて地域振興部門特別賞を受賞しました。
また、人づくりだけではなく、県共進会等でもチャンピオン牛を出すなど、人工授精師の経験を活かし、園の牛の改良にも積極的に取組んでいます。
自らも黒毛和種の一貫経営を行い、共進会等でも多数の上位入賞を果たしています。
【津軽地区】 宮腰 浩一 さん
◯市町村:南津軽郡大鰐町
◯飼養頭数:養鶏(青森シャモロック)5,400羽
宮腰浩一(みやこし こういち)さんは、大鰐町で建設業を営んでいましたが、平成16年に多角的な企業経営を模索する中、県が開発し推奨する地鶏「青森シャモロック」と大鰐町の地域性を活かし、農業生産法人大鰐振興を立ち上げました。
大鰐振興では、畜舎等は全て自力施行して青森シャモロックファームを建設するとともに、平成17年には認定小規模食鳥処理場を併設しました。
大鰐シャモロックファームは、青森シャモロック・ブランド化推進協議会の指定農場で、飼養管理は「青森シャモロック飼養管理マニュアル」に準じて管理された一貫生産体制が整備されています。
生産された商品は、県内をはじめ関東や関西など大都市圏を中心としたホテル、レストラン等の食材として販売されているほか、インターネットによる販売にも取組んでいます。
更に、青森県と弘前市の物産協会にも加入し、百貨店などで開催されるイベント等に積極的に参加し、青森県の地鶏「青森シャモロック」のPRや地域の活性化にも貢献しています。