平成30年 受賞者
関 善一 (せき ぜんいち)
上十三地域
父、政蔵氏が乳用牛であるジャージー種を昭和35年頃から飼養開始し、善一氏は昭和38年頃からホルスタイン種20頭程で酪農経営を開始した。平成15年からは肉用牛(黒毛和種)に本格的に経営参画した。この間、旧十和田湖町農協に20年以上勤め、専務理事として農協運営に携わっていた。平成26年からは後継者としてご子息の善昭氏も加わり、県外導入も利用しつつ育種改良を進めている。
平成20年には本県黒毛和種育種改良組合発祥の地である奥瀬牧野組合の組合長に就任し現在3期目であり、平成25年に当組合で生産された「春待白清」が平成29年度に基幹種雄牛に指定され、今後とも育種改良事業への貢献が期待される。
宮木 富士子 (みやき ふじこ)
三八地域
昭和51年から三戸畜産農業協同組合の職員として組合の会計業務に従事するとともにワクチン接種事業に携わり接種率向上に努め、現在まで42年の長きにわたり行政と生産者の橋渡しとして地域の畜産業の振興と家畜衛生に対する知識の普及、啓発活動に貢献している。
また、各種事業を推進し採草事業の見直しを行うなど、組合経営の健全化にも尽力しており、1,000人を超える組合員からの信頼も厚く、平成27年からはこれまでの業務実績と豊富な経験が認められ、三戸畜産農業協同組合参事として活躍している。
さらに、三戸地方黒毛和種改良組合や平成22年に県内で唯一設立された三戸地方黒毛和種育種組合の設立や運営を縁の下で支えるなど、地域の肉用牛生産の発展に大きく貢献している。
高橋 代人 (たかはし だいと)
むつ地域
平成6年7月から田名部畜産農業協同組合に勤務し、平成30年3月まで業務課長として地域の肉用牛振興に寄与した。特に繁殖雌牛の導入を図り、肉用牛の改良増殖を積極的に推進し、全国和牛共進会出品にあたっては牛の手入れの細やかな指導を行うなど下北地域の肉用牛振興の中心的な役割を果たしてきた。
また、自らも祖父の代からの黒毛和種繁殖経営を平成20年から引継ぎ、現在黒毛和種繁殖牛34頭を飼養し、繁殖経営の実践者として優良子牛の生産に努め、常に安定した経営を維持している。さらに、予防接種や消毒などの家畜衛生対策にも積極的に取り組み、地域の肉用牛振興のリーダー的存在として大いに貢献している。
工藤 広行 (くどう ひろゆき)
津軽地域
工藤農場は、中泊町で肉用繁殖牛21頭を飼養し、地域の中核的な農場である。先代の利明氏が平成15年に繁殖牛4頭から経営をスタートしたのが始まりで、その後利明氏は優良雌牛を次々導入し、中でも第7おくちとせ号は県内1位の育種価評価結果を示すなど、関係者から注目されるようになった。
広行氏は平成19年から本格的に経営に携わるようになり、先代の下で牛飼いとして知識の習得と技術の研鑽に努めてきた。平成20年には人工授精師の免許を取得、翌21年には受精卵移植師の免許を取得し、その後も着実に技術を磨き、良好な繁殖成績を挙げている。
また、子牛の下痢症を予防するためのワクチンについて、畜産協会事業を活用し平成20年にいち早く接種し現在まで継続するなど要望衛生上模範的な対策をしている。
このように、高い繁殖技術を利用した優良子牛の生産や、ワクチンを応用した健康な子牛育成への取り組みは中泊町の畜産振興において高く評価されるものであるとともに、今後西北地域の畜産の牽引役として大いに活躍が期待される。