衛生

令和元年 受賞者

原 園子 (はら そのこ)

東青地域

同氏は平成21年3月に青森県を退職後、同年4月に産業動物獣医師の少ない東青地域において、はら動物病院に勤務すると同時に、産業動物診療獣医師として診療を開始した。 これを契機に地域肉用牛農家を定期的に巡回し、生産者に寄り添った指導を継続している。なお、無獣医地域を抱える東青地域において安定した獣医療の提供を目的に、当協議会の実施する産業動物獣医療安定確保対策にも参画し、開業獣医師不在の上磯地域における子牛の下痢・肺炎予防対策に尽力し、生産者からの信頼も厚い。

10年間の継続した取り組みにより、当地域の下痢・肺炎の発症頭数は減少し、特に重症例については激減となっている。

西村 正  (にしむら ただし) 

三八地域

昭和49年に父親から軽種馬を数頭受け継ぎ生産を始め、その後競走馬の休養のための預託をするなど軽種馬生産に長く携わってきた。しかし、地方競馬の衰退に伴い今後の軽種馬生産経営に不安を感じ、50歳の時に肉用繁殖牛8頭から肉用牛生産経営いち早く移行した。人工授精師免許の取得、肉用牛の血統や育種価を独自で勉強し、受精卵移植技術も活用し、こだわりの血統を確立したさらに八戸和牛改良組合の創設にも尽力した。農場は平成29年に株式会社となり、現在代表取締役を務めている。
 また、家畜衛生に関する意識も高く、定期的にワクチネーションを実施するほか、飼養牛の白血病対策にも積極的に取り組み、平成27年度には清浄化を達成し、現在も維持している。

飯田 一志   (いいだ かずし)

むつ地域

有限会社飯田養豚場は、現代表取締役である飯田一志氏の父の代から続く養豚場で、同氏が平成8年に父から本格的に引継ぎ、現在、母豚300頭規模の養豚場を家族5人で運営し、生産される豚肉の一部は、地域の特性を生かし地元酒蔵の酒粕が原料添加されている配合飼料で育てる“あおもりほろ酔い豚”として販売し、高評価を受けている。また、平成25年頃から「安全・安心」を消費者に届けたいという思いでHACCP認証取得を目指し取組みを始め、平成31年1月に取得。さらに、飼養衛生管理基準を順守するとともに、疾病の発生予防のために予防注射や消毒などの家畜衛生対策や適正なふん尿処理等にも積極的に取り組んでいる。

つがる市屏風山畜産組合
 (つがるしびょうぶざんちくさんくみあい)

津軽地域

同組合は昭和34年に共有の野草地を牛馬の共同放牧場として利用されたのが始まりで、平成17年の町村合併により「つがる市屏風山畜産組合」の名称となり現在に至る。
 その間、同組合は平成13年に全国和牛登録協会から和牛改良組合の認定を受け、平成20年には全国草地畜産コンクールにおいて特別賞を受賞している。平成25年からは繁殖雌牛の白血病抗体保有状況の把握を務めるとともに、平成28年からは吸血昆虫対策を積極的に取り組み、全国家畜保健衛生業績発表会に選出されるなど高い評価を受けた。
加えて令和3年度から冬季預託施設の開設を予定しており、今後の成長が期待される。